Disciplined Agile Senior Scrum Master (DASSM) 合格への道

2020年9月にリリースされた新しいPMI認定アジャイル資格である Disciplined Agile Senior Scrum Master (DASSM) を取得しました。今回は認定取得までの流れを簡単にまとめます。

Disciplined Agile (DA) とは何か?

ディシプリンド・アジャイル(DA)は、アジャイルラクティスを包括的に含んだツールキットを提供するフレームワークです。もともとIBMで開発されましたが、後にその知的資産はディシプリンド・アジャイル・コンソーシアムに移譲され、2019年8月にPMIに買収されました。

DAは包括的なアジャイルラクティスのツールキットを提供することで、多くの手法やメソッドが乱立しているアジャイルの世界で、アジャイル導入・展開を実現するための効果的なプラクティスの選択をサポートすることを目的としています。

ディシプリンド・アジャイル創始者の一人であるマーク・ラインズ(Mark Lines)がDAを説明した内容を記事にしています。詳細はこちらを参照してください。

Disciplined Agile Senior Scrum Master (DASSM) とは何か?

PMIが提供するディシプリンド・アジャイル(DA)認定の一つです。2021年10月時点でPMIが提供するDA認定は4種類ありますが、DASSMはミドルレベルの資格として位置づけられています。

https://www.pmi.org/-/media/pmi/microsites/disciplined-agile/graphics/dacertificationroadmap.jpg?h=1125&la=en&w=2000&v=fe778a50-7eac-4450-a571-ea8dca0e8e0d&w={1200}

PMIが提供するアジャイル認定には、PMI Agile Certified Practitioner (PMI-ACP) という資格が存在します。これはPMIによるDA買収前から提供されていた認定で、DA認定には含まれませんが現在もPMIからアジャイル認定として提供されています。PMI-ACPの詳細はこちらを参照してください。

受験資格

DASSMの認定を受けるためには、以下条件を満たす必要があります。

  • 2年間のアジャイル経験
  • DASSM トレーニングコースの受講(オンサイト or オンライン)
  • DASSM 認定試験の合格

DASSM 認定試験はDASSM トレーニングコースの完了者が受験可能なため、実質的にトレーニングコースの受講が必須ということになります。

2年間のアジャイル経験については特に確認されませんでした。私がPMI-ACP認定を保有しているため、この条件の確認を免除された可能性があります。

試験方式

  • Pearson VUEが提供するオンラインテスト。
  • 全50問の選択方式。
  • 試験時間はおよそ120分。ただし30分はチュートリアルの時間のため、テスト自体は90分です。
  • 合格ラインは公表されていません。

受験までの流れ

私の認定取得までの流れは以下のとおりです。

1. PMIのDASSM Certification ページから提供されているオンラインコースに申し込む。

私は好きな時間に受講できるメリットから、オンラインコースを受講しました。価格は499ドル(PMI会員は399ドル)で、内容はすべて英語です。

2. オンラインコースを受講後、メールで受講完了をPMIに連絡すると、認定試験に関する詳細な情報が送られてくる。

コース受講完了連絡後、認定試験の情報が送られてきます。試験はこのメール受領後一定の期間(Eligible期間)に受講する必要があります。

この期間はメールには30日間とありましたが、PMIのDashboardには60日間と表示されていました。どちらが正しいか分かりませんが、早めに受けたほうが良いのは間違いないです。

3. オンライン認定試験を受験する。合否はすぐに表示される。

オンライン試験は受験言語を選択することが出来ます。日本語を選べば、英語の原文に加えて、日本語で内容を確認して試験を受けられるのでおすすめです。

ただオンラインコース含めて学習教材が英語であること、アジャイル関連用語の翻訳が稚拙であることなどから、回答時に英語を読むことは必須です。日本語はあくまで補助として使うほうが良いです。

PMI-ACPとDASSMの違い

私はPMI-ACPも保持しているため、DASSMとの違いについて最後に簡単にまとめます。

扱う内容に大きな違いはない

どちらの認定もアジャイルフレームワークやプラクティスについて幅広く扱う認定のため、内容にあまり違いは感じませんでした。チーム形成に関するタックマンモデルや、5段階のコンフリクトモデルはどちらの認定でも取り上げられています。またアジャイルマインドセットに関する部分も当然差異がありません。

違う部分はDA固有の名称、考え方など

メンバーのRole名、プロセスゴールやディシジョンポイントの考え方など、DA固有のものがあります。すでにアジャイルに精通している、あるいはPMI-ACP認定を保持している人であっても、上記のようなDA固有の考え方は理解しておく必要があります。